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結 菫色の春薫る隻腕の妻神 + 5 +

last update Huling Na-update: 2025-06-27 06:55:09

「……後悔するなよ?」

 そう言って、夜澄は朱華の朝衣を脱がし、寝台の上へ横たわらせる。

 左肩より先のない彼女の身体に負担をかけないよう、夜澄も裸になり、右側に横たわる。

 両腕で朱華の首を支え、夜澄はぺろりと色づいた乳首を舐めていく。

「後悔って……あっ……っく」

「俺みたいなはぐれ神の花嫁になっても、集落を再興することはできないぞ」

「そう……だね」

 ぷくりと勃ちあがった左右の胸元の蕾を交互に味わいながら、夜澄は未だ不安そうに朱華に訊く。

「それでも、傍にいてくれるか?」

 桜月夜のふたりの仲間はそれぞれの道を選んだ。

 夜澄だけが未来を見つけられず、ただ、朱華の傍にいることしか望めない。

 彼女がいればそれだけでいい、かつて裏緋寒の番人で彼女の成長を見守ってきた逆さ斎の未晩の気持ちが、いまになって痛いほどよくわかる。

「ふぁ……ああんっ」

 カリっ、と乳首を噛まれた朱華はビクッと身体を浮かせ、夜澄の腕のなかで身悶える。

 夜澄によって身体を火照らせていく朱華は、快楽に身を投じながら、花が綻ぶような表情で夜澄を見つめ、応える。

「あ――当たり前、じゃない……あたしも、夜澄と一緒に生きたいよ?」

 朱華の言葉に夜澄は安心したように微笑み、ふたたび乳首を甘嚙みする。それだけで彼女の蜜壺はきゅうん、と疼き、蜜口から桜蜜がとろとろと零れていく。

 やがて夜澄の口は朱華の下腹部を通り、桜蜜が流れる太腿へ到達する。ぺろり、とひと舐めした彼は、それだけで自分の分身がさらに熱く、勢いを増したことを認め、彼女の首から腕を放す。

 剛直をなめらかな太腿に滑らせ、夜澄は桜蜜をまとわせたそれを、朱華の蜜口へと運ぶ。

 亀頭が掠めただけで甘い吐息を漏らす朱華を焦らすように、夜澄は真面目な表情で改まって口にする。

「俺は、お前の苦しみを支え、悦びを分かち合える片腕になる……だから」

 ――誓ってくれ。ともに生きる未来を。

 竜神の花嫁になれと言われた時
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